とにかく本を読んでいるブログ

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アート・スピーゲルマン『マウス』と併せて読みたい

マウスです。リーマンギャンブラーではありません。

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もともと晶文社で全2冊で出てました。
大体平坦な内容なんですよ。あらすじの通り話は進むし、暗いし辛いし、本当の事なんだろうなーとは思うけどやり切れなくなるし。
でも、読んだ後に誰かと話がしたくなり、読んだことなければお勧めしたくなる本でもあります。海外コミックのオールタイムベスト10とかやってる所には大体入ってます。

で、読んだ後に読んだ方がいい本をすこし。
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サルトルユダヤ人』
20世紀の哲学者、実存主義ジャン・ポール・サルトルです。
原題『Réflexions sur la question juive』直訳でユダヤ人問題に関する考察です。1946年に発行された本ですが、書かれている内容は戦時中、1940年頃の話とかです。
これはユダヤ人を差別する人の心理状況を克明に書いた本で、ナショナリズムに染まりやすい現代において、刺さるところ、学ぶべき事の多い本でもあります。

とりあえずこれ、2冊ワンセットのようなものに感じます。『マウス』で感じたモヤモヤは、『ユダヤ人』で補完出来ると思います。

あとなんでしょうか。最近読んだんですが、プリーモ・レーヴィ『これが人間か』がアウシュヴィッツの実情を写したものとしていいと思います。
トニモリスンの『青い眼がほしい』とか一連の作品でもいいかもしれません。
コクトー『阿片』にも、差別的発言を強いられる看護婦の断章があったと思います。
日本でいったら渡辺一夫の評論、『狂気について』が心持ちをどう持つべきか教えてくれそうです。

とにかく、書かなければならない使命感の強い本は、それだけ力があるということです。こうした本は、知ってしまった以上、読まなきゃ前に進めない気すらしてきて、読みたい本のリストはは増える一方になるのでした。