とにかく本を読んでいるブログ

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翻訳経過その2

centerburg tales.その後、全部読みました。

4話目
「パイとドーナッツの穴とあの人のこと」
ユリシスおじさんがジュークボックスを買った。それに見知らぬオッサンが持ってきたレコードをかけたら皆が歌い出した!

…というわけで素読み終了。
とりあえず、
・タイトルの似ているカンタベリー物語(Canterbury tales)はもじっただけっぽい。
・トランプゲーム大全が欲しい。
・ネタバレになるけど、マーク・トウェインを読まなければならない。でも、当該の一節は既に訳されている。買うなり借りるなりする。
・1冊の本にしてみたい。印刷会社を探す。
ってところです。

まずは訳さないとねー。

ホーマーくん続編翻訳計画

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計画というのは、まだ素読みの最中だから。

とりあえず4話中3話読みました。英語力がないというのは辛い。

1話目『ヘラクレスじいちゃんの話』
ホーマーくんのおじいちゃんは皆に昔話を話すのが大好き。でも、ホントか嘘か分からないような大げさな話をするもんだから、ふとした成り行きでその話を証明する事になって……?

2話目『実験植物13号』
ダルシーさんのおじさんが亡くなったそうだ。科学者だったおじさんの遺産は植物の種だけ。早速植えてみたけど、この種、何だかおかしいぞ……?

3話目『もっといい ずっといい』
ある昼下がりに、博士と名乗るセールスマンがやってきた!売りつける商品は「もっといいずっといい」!?

……といった内容。あと1話。根っからの消費者なもんで、本当は翻訳なんてなぁと思って半年過ぎてしまった。正味な話、岩波からとっとと出ないもんだろうか。

Terry Moore 『STRANGERS in PARADISE』

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ストレンジャーズ・イン・パラダイス。私の大好きな作品。「DC.MARVEL.以外のアメコミって何があるのよ」と問われたときに、私が迷わず挙げている作品です。ストーリー、キャラクター、共に一級品で、特に伏線の張り方が上手いです。
が、日本で知名度がイマイチな本書。私の持ってる本の内だと、小学館プロダクションマーヴルクロスにチラッと紹介されてるくらい。続編も書かれ、実写化も進行中なのに何故?
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これはポケット版。tpbに加え、愛蔵版も2種類出てるようで。

まず長い!連載が93年~07年と、実に14年の長期シリーズ。日本でいうと『銀魂』くらいの長さ。これくらい長いと、逆にちょっとは紹介されてもよさそうなもんですが。

ヤクザも出てくるんですが、映画から仕入れたっぽい日本知識もあります。でもそんな事言い始めたら、ウルヴァリンなんて読めませんしね。
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「キョージャクジ(虚弱児)!ブッコロシテヤルゾ!」…まあ、訳してみてください。因みにワザとやってる可能性もあるのがこの漫画の面白い所。伏線も多いので、一概に言えないのです。
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小説の挿絵仕立て。絵すらないことも。本筋と別の幕間をこれで埋めるのも、本書の特徴かなと思います。
文字も多い。これも取っ付きづらさを助長してるんですかね。

いい本なんですけどね。実写化に期待はしてるんですけどね。

神保あつしの単行本が欲しい話。

少女漫画の対極にある漫画家といえばなんでしょうか。

そう、神保あつし先生ですね!

将棋世界日本農業新聞漫画ゴラク連載中!ザ・オヤジの星な漫画家です。基本四コマ作家なんですが結構面白いんですよ。

恥ずかしながら私は1冊も買えておりません。だって、流通に乗った単行本といえば、
・昔出てた俺のシェフとか数冊。
・コンビニ版の家電のデンさん
・あと挿絵の実用書がチラホラ
で、日本農業新聞連載のゴリパパ一家なんて、自費出版600部。

一昨年、連載1万回記念でショートアニメ製作しましたが、傑作選でもいいからそこは単行本出したれよと思いましたね。

新聞連載の四コマって不遇な事が多いんですよ。全体把握するのは研究の域に入るんでしょう。

『バットマン:ザ・ラストエピソード』の絵本の話。

バットマン:ザ・ラストエピソード』です。注:ネタバレあります。
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アメコミって解説の小冊子ついてること多いんですが、書いてなかったので紹介します。他の単行本より小ネタの多い話ですしね。

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物語の根幹に関わる絵本なんですが、実在します。

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『おやすみなさい おつきさま』マーガレット・ワイズ・ブラウン
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まんまですね。世界4800万部の本らしいので、有名すぎると割愛したんでしょう。

恥ずかしながら私は子どもの時に読んだことがありませんでした。『ちいさな もみの木』くらいです。

最近になって買ったんですが、帯に「あのオバマ大統領も幼少の頃ご愛読!」みたいな事書かれてて、購買意欲が削がれたもんです。
そんな権威主義的な内容ではないんです。名作絵本ですからね。

ロバート・マックロスキー『ゆかいなホーマーくん』には続編があるよ。

子どもが知恵と機転で問題を解決!という児童文学は沢山あります。
アストリッド・リンドグレーンの『カッレくん』シリーズ、ビバリー・クリアリー『ヘンリーくん』『ラモーナ』、エーリッヒ・ケストナー『エーミール』等々、有名所が多すぎて混乱するんですが、今回紹介する人はロバート・マックロスキーです。

ロバート・マックロスキーは主に絵本で有名ですね。『かもさん おとおり』、『サリーのこけももつみ』など、読んだ事のある人が多いと思います。

邦訳されている児童書は『ゆかいなホーマーくん』の1冊のみなんですが、私はこれが大好きなんです。(挿絵だけなら『ジャンケットがんばる』という名犬ものなんてのもありますが、残念ながら絶版です)

元々アメリカで1943年に出版された本なんですが、60年代に入ってから公民権運動が盛んな頃に、ホーマーくんの一編、黒人の男の子が最後に幸せをつかむ「ドーナツ」が実写化され(1963)、再評価を受けた作品なのです。

日本での出版もこの頃(1965)ですね。脚本が原文に忠実な実写と日本語訳を照らしてみると、石井桃子さんの本当に丁寧で気を使った翻訳に感動します。それにしてもこのドーナツ、動画で見ると胃にもたれそうですね。


動画はYouTube、こうした一連の情報は英語版ウィキペディアで調べました。いい時代になった。

で、英語版ウィキペディアには未邦訳の本が幾つか載っているのですが、そのなかに、ホーマーくんの続編として、CENTERBURG TALESがあると書いてあるではありませんか!

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買いました。最高です。

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出版は1951年。挿絵は勿論本人。おじいさんの昔話を聞いたり、植物が育ちすぎたり。ゆかいなホーマーくんより、リアリティよりも物語っぽさが高めです。

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ユリシスおじさんは相変わらず変な発明品が大好き。

子どもの為に個人的に翻訳中ですが、なんで邦訳されなかったんでしょうかね。ネイティブ・アメリカンの話とかあるから、やはり道徳的な問題なんでしょうか。石井桃子さんが聖域化してるとか。

児童文学ですから英語は簡単です。マックロスキー好きは是非読んでみて下さい。

70年前の本なので、アメリカの文化風俗につまづく所がありますけどね。Jacksって遊び、皆さん知ってました?

読もう!Kristen Gudsnuk!

今、アメコミ、バンド・デシネは邦訳が続々出ていて、財布は悲鳴をあげるし、もう持ってた原書の扱いに困るしで、実にいい時代だなと思います。
でも、Marvelとかの大手出版社か、映像化でもしない事には、日本語訳そうそう出ませんね。
具体的に言うとKristen Gudsnukもっと流行んねぇかなって思ってます。

カタカナにするとクリステン・ガズナックでしょうか。細かい発音は不明ですが。
この人の本、なんか日本の90年代のアニメ、少女漫画辺りの匂いがすごいするんですよ。るーみっくなノリとか、ヘタウマな絵柄とか。
悩める女の子の描き方が秀逸で、表情豊かでかわいいのです。
古臭いんじゃないんですよ。ちゃんとそうした文化を消費して、Comicsじゃなく漫画としてComicsしてるという感じ。
日本の少女漫画が好きな方が、この人の本読みやすいと思います。

今の所単行本は4冊出てます。

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HENCHGIRL

下っ端の娘とでも訳すのでしょうか。
ギャング団の下っ端マリーとヒーローの恋の行方!とか、両親は凄く有名なヒーローで、特に無能力なマリーのジレンマは悪の道に走る!とか、どこかで見たようで、意外とどこにもなかったりするストーリーは引き込まれること必至です。

一般的なアメコミの様に事前に知識のいることもなく、すんなり読めます。
セーラームーンとか、セイントテールとか、キャッツ・アイとか、その辺が好きな人、オススメの1冊です。

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MODERN FANTASY

ダンジョン&ドラゴンズと会社生活を混ぜたストーリー。原作付きです。
魔法のある世界でうだつの上がらない女の子sageは、ルームシェアの魔法使いや飲み友達のエルフと一緒に、捕まったり悪魔退治したりというお話。
ジェスロ・タルは普通にこの世界に存在してるらしいです。

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MAKING FRIENDS
右が2巻です。友達の作り方みたいな訳でしょうか。
学年が変わって友達が居ない女の子ダニーは大叔母の遺品から書けば何でも本当になる本を手に入れて、友達を生み出してしまって…というお話。
ハッキリ言うと、ウイングマンのドリムノートです。2巻ではコピーロボットや人間用モンスターボールが出てくるので、ドラえもんに近いかも。
オマージュを気にしない自由な発想の作品です。十代の家族関係とか、人間関係とか、登場人物がそれぞれ悩んでいるのがいいのですよ。

とにかくこの作者好きなんですよ。絵も。話も。もっと流行ってほしい人です。