ロバート・マックロスキー『ゆかいなホーマーくん』には続編があるよ。
子どもが知恵と機転で問題を解決!という児童文学は沢山あります。
アストリッド・リンドグレーンの『カッレくん』シリーズ、ビバリー・クリアリー『ヘンリーくん』『ラモーナ』、エーリッヒ・ケストナー『エーミール』等々、有名所が多すぎて混乱するんですが、今回紹介する人はロバート・マックロスキーです。
ロバート・マックロスキーは主に絵本で有名ですね。『かもさん おとおり』、『サリーのこけももつみ』など、読んだ事のある人が多いと思います。
邦訳されている児童書は『ゆかいなホーマーくん』の1冊のみなんですが、私はこれが大好きなんです。(挿絵だけなら『ジャンケットがんばる』という名犬ものなんてのもありますが、残念ながら絶版です)
元々アメリカで1943年に出版された本なんですが、60年代に入ってから公民権運動が盛んな頃に、ホーマーくんの一編、黒人の男の子が最後に幸せをつかむ「ドーナツ」が実写化され(1963)、再評価を受けた作品なのです。
日本での出版もこの頃(1965)ですね。脚本が原文に忠実な実写と日本語訳を照らしてみると、石井桃子さんの本当に丁寧で気を使った翻訳に感動します。それにしてもこのドーナツ、動画で見ると胃にもたれそうですね。
動画はYouTube、こうした一連の情報は英語版ウィキペディアで調べました。いい時代になった。
で、英語版ウィキペディアには未邦訳の本が幾つか載っているのですが、そのなかに、ホーマーくんの続編として、CENTERBURG TALESがあると書いてあるではありませんか!
買いました。最高です。
出版は1951年。挿絵は勿論本人。おじいさんの昔話を聞いたり、植物が育ちすぎたり。ゆかいなホーマーくんより、リアリティよりも物語っぽさが高めです。
ユリシスおじさんは相変わらず変な発明品が大好き。
子どもの為に個人的に翻訳中ですが、なんで邦訳されなかったんでしょうかね。ネイティブ・アメリカンの話とかあるから、やはり道徳的な問題なんでしょうか。石井桃子さんが聖域化してるとか。
児童文学ですから英語は簡単です。マックロスキー好きは是非読んでみて下さい。
70年前の本なので、アメリカの文化風俗につまづく所がありますけどね。Jacksって遊び、皆さん知ってました?