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オーストラリアの漫画はやっぱりオーストラリア全開だ。CAMPBELL WHYTE『HOME TIME』

オーストラリアの漫画家CAMPBELL WHYTEによる『HOME TIME』が面白いのです。キャンベル・ホワイトでしょうか。下校時間、下校時刻と訳すみたいです。

 

大まかなあらすじは、終業式を終えた小学生が、帰り道に川に落ちて

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不思議な妖精の国へ!

という感じ。異世界転生!みたいな今風な感じではなくて、むしろ砂の妖精とかナルニア国シリーズ等の異世界探訪型児童文学にノリは近いです。背表紙には80~90年代のファンタジーがベースにあると書いてあります。

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こんな感じで、一人一人にフォーカスして話が進んでいくんですが、一人ごとに画材ごと絵柄変えてますね。子どもの見えてる世界は違うものですからね。

 

出てくる草木や生物も、オーストラリアベースで新鮮です。異形のものとしてですが、カンガルーもいるみたい。

とてもいいところで一巻は終わります。どうも暗い雰囲気が漂っているので、『ぼくらの』になってしまうか、『銀河鉄道の夜』的に終わるのか、気になってます。

登場人物の日記、ポートレートや設定画が話の間に描いてあり、物語の補完になっています。私は裏設定みたいなのが好きなので、こういうのに弱いのです。

奥付には、オーストラリアの芸術に対する助成金で製作した旨が書かれており、スペシャルサンクスにはオーストラリア政府が。気合い入ってますな。

二巻は2020年1月だそう。今から楽しみです。